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モバイルバッテリーの選び方:PSEとリコール確認、Wh換算、2026年4月からの飛行機ルールまで

まずPSEマークと連絡先の確かなメーカーか、リコール対象でないかを確認。容量はmAhではなくWhで考えます。2026年4月24日から機内持ち込みは160Wh以下2個まで、機内での充電・使用は禁止に。旅行用は10000mAh前後を事前に満充電しておくのが現実的です。

SellPix 編集部11分で読めます2026年10月10日更新

結論: モバイルバッテリーは、容量や出力より先に「PSEマークが付いた、連絡先の確かなメーカーの製品か」「リコール対象ではないか」を確認します。容量はmAhではなくWh(mAh×V÷1000)で考えると、飛行機のルールと照らし合わせやすくなります。国土交通省のルールでは、2026年4月24日から機内に持ち込めるのは160Wh以下を2個までで、機内でのバッテリーへの充電も、バッテリーからスマホへの充電もできません。旅行用には、出発前に満充電しておける10000mAh前後が現実的です。

モバイルバッテリーの選び方 – オリジナル図解 · 商品写真ではありません

なぜ「安全」から選ぶのか

NITE(製品評価技術基盤機構)が2025年6月26日に公表した資料では、2020年から2024年の5年間に通知されたリチウムイオン電池搭載製品の事故は1860件で、約85%(1587件)が火災に発展しています。製品別ではモバイルバッテリーの事故が最も多く、事故は気温の上昇とともに増えて6〜8月にピークを迎えるとされています。リチウムイオン電池には可燃性の電解液が含まれているため、小さな製品でも大きな火災につながるおそれがあります。

NITEは事故を防ぐポイントとして、連絡先が確かなメーカーや販売店から購入すること、リコール対象でないことを確認して購入し、購入後も最新情報をチェックすること、高温下に放置しないこと、強い衝撃を与えないこと、異常を感じたらすぐに充電・使用を中止することを挙げています。リコール製品については、異常がなくても使用を中止し、販売店や製造事業者に連絡するよう呼びかけています。

選び方の5つのポイント

1. 丸形PSEマークと事業者名

経済産業省の電気用品安全法の概要では、リチウムイオン蓄電池は「特定電気用品以外の電気用品」に区分され、PSEマーク等の表示がないものは販売・陳列できないとされています。特定電気用品以外の電気用品の表示は丸形のPSEマークです。本体の表示で、丸形PSEマークと届出事業者名が確認できるかを見てください。メーカーの仕様表に「○PSE 特定以外の電気用品」と書かれているかも手がかりになります。

2. リコール情報を確認する

同じシリーズ名でも、型番やシリアル番号によってリコール対象かどうかが分かれることがあります。購入前にメーカーのリコール告知と、消費者庁や経済産業省のリコール情報を確認し、手元の製品は型番とシリアル番号まで照合してください。

3. mAhではなくWhで比べる

国土交通省の案内では、ワット時定格量(Wh)は「定格容量(mAh)×定格電圧(V)÷1,000」で計算します。たとえばエレコムのEC-C45BKは仕様表で3.85V/10000mAh・38.5Whです。国交省の例示では、27,000mAh・3.7Vの製品が99.9Whになります。表記上の数字が大きくても、Whに直すと160Whの上限からは十分に余裕がある製品がほとんどです。本体にWhが書かれていない場合は、定格容量と定格電圧から計算しましょう。

4. 飛行機に持ち込むなら新ルールに合わせる

国土交通省は2026年4月14日に、国際基準の緊急改訂を受けたモバイルバッテリーの新しいルールを発表し、4月24日から適用しています。旅客向けの案内(別紙1)をまとめると次のとおりです。

ルール 内容(国土交通省の旅客向け案内)
預け入れ 預入手荷物に入れるのは禁止。必ず機内に持ち込む
容量 160Whを超えるものは持ち込み禁止
個数 モバイルバッテリーは2個まで(新ルール)
機内での充電 機内電源などからバッテリーへの充電は禁止(新ルール)
機内での使用 バッテリーから他の電子機器への充電はしない(新ルール)
収納場所 座席上の収納棚に入れず、座席ポケットなど手元に保管
ショート防止 端子を絶縁する、ケースや袋に入れるなど個別に保護

案内には、航空会社によってはより厳しいルールを設けている場合があると書かれています。たとえばPeachの案内でも、160Wh以下を最大2個まで、座席上の物入れに入れず目の届く範囲で保管し、機内での充電はできないとしています。機内で使えない以上、ワイヤレス充電などの機能は空港や到着後に使うものと考え、出発前に満充電にしておくのが現実的です。

5. 使い方と保管で事故を防ぐ

エレコムの製品ページでは、充電時間が著しく長くなった、残量の減りが早い、本体が異常に熱くなる、膨張・変形・破損がある、といった変化を「異常の兆候」として挙げ、該当する場合は直ちに使用を中止するよう求めています。NITEは、万が一発火した場合は大量の水で消火し、可能な限り水没させた状態で119番通報するよう案内しています。夏の車内やダッシュボードの上、直射日光の当たる窓際に置きっぱなしにしないことも大切です。

モバイルバッテリー購入前と使用中のチェックリスト

購入の判断

  • スマホを1日1回程度充電でき、旅行にも持っていきたい:エレコム EC-C45BK。仕様表で38.5Wh、約180g、丸形PSE(特定以外の電気用品)と明記され、短いUSB-Cケーブルがストラップとして付属します。最大22.5Wのうち一部の条件はHUAWEI機器向けで、ほかのスマホでは9V/2.22A(約20W)までと読むのが妥当です。
  • iPhoneやPixelなどQi2対応スマホを、ケーブルなしで充電したい:CIO SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.2 SS10K。メーカー発表では半固体系バッテリーセルを採用し、Qi2.2対応機器に最大25Wでワイヤレス充電できます。ただし機内では使えず、仕様の数字に資料間の食い違いがある点は理解しておきましょう。
  • 見送った方がよい人:すでにPSEマークのある製品を持っていて不満がない人は、買い替えるより、リコール対象でないかの確認と保管方法の見直しを優先してください。
項目 エレコム EC-C45BK CIO SMARTCOBY SLIMⅡ Wireless2.2 SS10K
容量 10000mAh・38.5Wh(メーカー仕様) 10000mAh(Whは本体表示で確認)
電池 充電式リチウムイオン電池 半固体系バッテリーセル(メーカー発表・独自定義)
主な出力 USB-C×2・USB-A×1、同時使用時は合計最大15W USB-C最大30W(商品ページ)、Qi2.2で最大25W
重さ・厚さ 約180g・厚さ約16.4mm 商品ページは厚さ約14mm、発表資料は約17mm
表示・安全機能 ○PSE 特定以外の電気用品、残量1%単位表示 内部温度を監視して出力を制御(メーカー記載)
機内持ち込み 160Wh以下のため可(2個まで) 160Wh以下のため可(2個まで)

注文前に確認すること

  • 丸形PSEマークと事業者名:商品画像や本体の表示で確認できるかを見てください。
  • Wh表記:本体にWhがなければ、定格容量と定格電圧から計算します。
  • 型番とリコール情報:同じシリーズ名の別型番がリコール対象になっている例もあるため、型番まで照合します。
  • ケーブルと端子:EC-C45BKは短いUSB-Cケーブル付き、SS10KはUSB-Cとワイヤレスで、Lightning端子の機種にはケーブルが別途必要です。
  • 使用温度:EC-C45BKの使用温度は0〜30℃とメーカー仕様にあります。夏の車内は想定外の環境です。

よくある質問

10000mAhのモバイルバッテリーは飛行機に持ち込めますか?

多くの場合は持ち込めます。3.85Vなら38.5Whで、国土交通省の上限160Whを大きく下回ります。ただし2026年4月24日からは2個までで、機内でスマホを充電したり、機内電源でバッテリーを充電したりすることはできません。預け入れ荷物に入れるのは禁止です。

機内でワイヤレス充電なら使ってもいいですか?

使えません。国土交通省の新ルールは、モバイルバッテリーから他の電子機器への充電をしないことを求めており、充電の方式は問いません。スマホの充電は機内備え付けの電源を利用するよう案内されています。

膨らんだモバイルバッテリーはどうすればいいですか?

直ちに使用と充電をやめてください。NITEの注意喚起ポスターには、膨らんだ電池パックを机にぶつけてへこまそうとして内部でショートし、発火した事例が載っています。押したりたたいたりしてはいけません。NITE北海道支所の2026年7月15日の資料は、家電を廃棄する際はリチウムイオン電池の有無を確認し、メーカー回収や自治体の回収区分に従うよう呼びかけています。

「半固体電池」なら発火しないのですか?

発火しないとは言えません。CIOは発火原因となる電解液を10%以下に抑えたと発表していますが、半固体の定義には統一見解がなく、同社の独自基準で「半固体系」と呼んでいると商品ページに書かれています。使い方と保管の注意はほかの製品と同じです。

調べ方

2026年10月10日に、国土交通省の報道発表と添付資料、NITEの注意喚起資料とポスター、経済産業省の電気用品安全法の概要、Peachの機内持ち込み案内、エレコムの製品ページ、CIOの発表資料(PR TIMES)、Amazon.co.jpの商品ページを確認しました。編集部はこれらの製品を購入・試用しておらず、充電速度や発熱は評価していません。Anker製品はリコール告知ページを今回開けなかったため、紹介の対象から外しました。購入リンクと報酬関係の有無は、このページで開示しています。

出典